社会のデジタル化は多くの業界に影響を与え、既存事業の見直しや新しい価値を顧客に提供する動きが活発になりました。そして、過去、主流であったマス媒体を中心としたコミュニケーション活動は、デジタル化の進展やワークスタイルの変化によって激変し、インターネット広告費は各業界のデジタルシフトを背景に毎年好調な伸びを示しています。また、当社グループが事業を営むローカルエリアにおいては、少子高齢化や労働力不足など解決すべき課題が数多く存在しています。
このようなデジタル化や少子高齢化で社会が大きく変化する時代にあっては、お客さまは経営全般の課題解決策を求めるようになり、そのような提案を実行することが顧客第一の精神となります。
そこで、当社グループにおきましては、「お客さまの経営課題の解決に繋がる戦略を設計し、共に実践するパートナーになること」を今後の当社グループの在り方と定義し、これを『マーケティングデザイン』と称して「既存事業の収益改善」と「新しい事業領域の開発」に取り組んでいます。
デジタル領域への取り組み
国内広告業界のインターネット広告売上高は年々増加を続け、当社グループ商勢圏においても、各企業におけるマーケティング活動のデジタル領域へのシフトが加速したこともあって、当社グループのデジタル領域の売上高も前年を上回る結果となっています。
このような中で、当社グループは、デジタル領域全般の受注拡大をより加速させるため、デジタルマーケティング分野の提案強化やデジタル技術を活かした新規事業の企画提案に取り組んでいます。引き続き、デジタル化によるコミュニケーション活動の変化に対応した提案に努め、お客さまの成長に貢献できる真のパートナーを目指してまいります。
広告事業区分別販売実績
新規事業への挑戦
当社グループにおきましては、変化の激しい経営環境を乗り越えていくためには、「新しい事業領域の開発」に取り組むことが不可欠であると考えています。そして、当社グループが取り組む新規事業の領域は当社の強みを活かしたものでなければならないと考えます。
現在、当社グループは、新しい事業への取り組みの一環として、新会社の設立や、ECサイトの開設、物産販売店の運営などに挑戦しており、今後につきましても、グループ内に蓄積された地域情報のほか、地元に密着した広告会社としてのノウハウを最大限に活用し、当社グループ自身が価値を生み出せる新規事業の創出に取り組んでまいります。
株主還元
当社は、安定した配当を継続して実施することを基本とし、設備投資や販売強化等に関する資金需要の状況、業績の動向、ならびに内部留保の充実等を総合的に検討したうえで配当額を決定しております。
当方針のもと、安定配当を維持しながら中長期的な視点で業績に応じた利益還元を検討してまいりたいと考えており、自己株式の活用を含めたM&Aの推進などによって、利益成長に向けた新規投資と安定した株主還元の最適なバランスを検討してまいります。
当社グループの対処すべき課題
重要テーマ | 具体的な取り組みの方向性 | 実施内容 |
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デジタル領域への挑戦 |
デジタル化によるコミュニケーション活動の変化に対応した提案に努め、お客さまの成長に貢献できる真のパートナーを目指す。
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2022年4月 2023年3月 2023年3月 2023年1月 |
新規事業への挑戦 |
当社グループ自身が価値を生み出せる新規事業の創出に取り組む。
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2022年12月 2023年2月 2023年8月 |
クリエイティブスタッフの 高付加価値化 |
クリエイティブスタッフの高付加価値化から「既存事業の収益改善」に取り組む。
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課題解決型営業の推進 |
お客さまの経営課題の解決策をお客さまとともに考える課題解決型営業を継続して推進する。
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グループ内ウェブ解析士 |
人材への投資 |
従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、失敗を恐れず挑戦し続ける組織・企業風土の醸成を推進する。
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DXの取り組み
1.トップメッセージ
デジタル化の波は、我々の業界にも大きな変化を生み出し、遅れを取ることなく着実に対応しなければなりません。そこで、当社においてもDX(デジタル・トランスフォーメーション)に取り組みます。
当社は、業務の⾒える化・顧客理解の深化・ナレッジの共有化の3つを柱に、進めていきます。これらの取り組みで、既存の常識や枠組みを打破し業務の連携を強めて⽣産性を⾼めたり、経営データの可視化によるスピード経営や的確な意思決定を可能にするシステムの基盤整備を進めます。
社員が社内にある情報を「いつでも」「欲しいものが」「欲しい形で」得られ、定型的作業の負担を軽減して社員がより付加価値の高い業務に集中できる環境を整えます。そして⼈員の再配置を可能とし、中期経営⽅針を加速させます。
今後もお客様のよきパートナーとして進み続けるためにデジタルの力を活用して、仕事のやり方を変えたり業務を効率化するだけではなく、お客さまへの提案が幅広くなったり新しいサービスを届けるようになって当社の変化を実感してもらう。これが当社のDXの取り組み方針であり、このDXの取り組みを絶え間なく推進することで「マーケティングデザイン」の実現を図ります。
2022年9月26日
セーラー広告株式会社
代表取締役社長 村上義憲
2.DX戦略
業務効率化と顧客体験の向上を目的に、以下の3つの戦略を当社DXの柱としました。
- 戦略
- 目的
- 環境整備
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- 戦略
- 業務の見える化
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- 目的
- 営業や制作活動の生産性・効率性の向上や、経営情報の見える化による意思決定の迅速化を図ります
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- 環境整備
- 社内情報の統合化を図り、BIツールにより経営情報をリアルタイムで把握できるシステムを整備します。
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- 戦略
- 顧客理解の深化
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- 目的
- 最新の顧客情報や活動履歴から、部門横断的な顧客理解を深めニーズにあった提案活動を実現します
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- 環境整備
- SFAを導入し、顧客情報と活動履歴の一元管理を行います。
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- 戦略
- ナレッジの共有化
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- 目的
- 企画提案、クリエイティブ等の業務の成果物等を蓄積し、提案品質の向上と業務の効率化を図ります
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- 環境整備
- 企画提案やクリエイティブの成果物をストックし、適時的確に抽出できるデータベースを構築します。
DX推進体制
社内に委員会を設置
DX戦略を全社横断的に進めていくために取締役CIOの下に専門知識のあるリーダーを配置し、局ごとの社員による委員会を組織して実施する。「業務の見える化」は総務局、「顧客理解の深化」は営業局、「ナレッジの共有化」は企画制作局を中心に設置し、全社横断的な推進を図ります。
外部連携
迅速な構築のため外部の開発会社との連携を図ります。
達成度を測る指標
以下の観点から、それぞれの戦略ごとに達成度を測ります。
- 業務の見える化/社員ごとの生産性向上、意思決定スピードアップ
- 顧客理解の深化/顧客への最適提案の実現
- ナレッジの共有化/企画提案のスピードアップ
サイバーセキュリティ対策
令和4年7月に外部からセキュリティ監査を実施しています。顕在化したリスクについてはセキュリティツールの導入及び社内の教育訓練等により対応していきます。今後も運用状況をモニタリング・監査を行いセキュリティリスクへの対応を進めていきます。