いい提案書には”くびれ”がある。

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よくできた提案趣旨は美しい

いい提案書はまず、分かりやすいことが条件です。優れた企画は40秒で伝わる、と聞いたことがありますが、それと似たようなことです。分かりやすい提案書はプレゼンもやりやすく、聞いているクライアントがうなづく頻度が高く、しゃべりながら好感触を得られます。

たくさんの提案書を書き、プレゼンしてきましたが、相手がうなづく提案には“くびれ”があるんだと気付きました。よくできた提案主旨は「美しい」と感じますが、その提案書のロジックを紐解いていくと、かならず一度“引き締めて”います。

ボクの引き締め方は“コンセプトへの着地”です。この「コンセプト」という言葉は、いろいろ使われすぎて厄介なので、また別の機会にまとめます。ここでは”くびれ”について。

デザイン経営のセミナーをするため、いろいろ勉強しました。そこで経済産業省が提唱するデザイン思考型のプロジェクトを進めるフレームが紹介されていました。企画を考えるとき、クライアントとの、またチーム内の考えをまとめる際に使いやすく、今では基本的なフレームとして自分の中に定着してきました。

 

ダブルダイヤモンドモデル

名前は格好つけてますが、要は「拡散と収束を2回やる」ということです。1回目に収束させた結果が、提案書でいう”くびれ”になる部分です。

例えば、プロモーションの提案であれば3C(強み、競合、市場)を洗い出し(拡散)、予算を使う目的に対してまとめる(収束)と、まずは「新規顧客の会員化が求められる」という結論が出る、といったイメージです。ブランディングですと、同じく3C(商品特長、競合、ユーザーニーズ)を洗い出し(拡散)、ベネフィットなどにまとめ直していった(収束)結果、あるべき商品コンセプトが導かれます。

この検討プロセスを踏まえなくても、実は企画というものはすべて、この手順を誰かがどこかで踏んでいます。ここで言いたいのは、この手順として必ず存在する”くびれ”部分を中心に提案書を構成することで、分かりやすく魅力的な美しい提案ができる、ということです。

ちなみに、後半の拡散・収束は広告プロモーションでは、メディア展開とクリエイティブが並んで行き、それがプロジェクトの成果という最終のゴールに結びつくというストーリーをイメージさせることにつながっていきます。

一枚もののサマリでも、何十ページもある企画書でも。一度、やるべきことを絞り込む”くびれ”のある提案書にすることを意識してみませんか。心の通った提案書ができれば自分の心も引き締まり、自信満々で伝わるプレゼンができるはずです。

 

write by

セーラー広告 企画制作局 西川 文章
プランナー/クリエイティブディレクター

地方の広告代理店でプランナーを務めて15年。
行政や民間企業のプロモーション企画をプレゼンするのがライフワーク。
とにかく「勝てる企画書」にこだわり続け、並みいる大手広告会社を
相手にしながらコンペに勝ちまくる。